黒部ルート見学会(2017年欅平出発コース)本編2(欅平竪坑エレベーターと展望台)

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欅平駅から専用列車に乗り込み、スイッチバックで欅平下部駅に到着。
ここで列車から降りて、まずは竪坑エレベーターで上部駅へ向かった。

 約2分間の昇降中にエレベーターの説明。高低差約200mを稼ぐためにエレベーターでクリアする発想もすごいが、それが未だ生かされている事からこの黒部の地の険しさが際立っている。なお、このエレベーター、1939年竣工(昭和14年)でアメリカ・オーチス製。当時の日本では三菱電機も日立製作所もようやく国産として生産開始されたばかりで、技術的にこれほどの高さと巻き上げ能力を開発設計、製造行うことは不可能であった。こうした所にも、当時のアメリカと日本との技術面で差が現れている。
昨今の超高層化と建物容積拡大に伴ってエレベーターにも大量高速輸送が求められており、これを上回る巻き上げ能力のエレベーターが誕生したが、その記録更新がなんと2011年。人荷併用で含めて積載量が求められる需要がありそうでなかった事の証左かもしれない。

欅平上部駅側の扉。車両1両分が丸々搭載可能な仕様。左側には人専用のエレベーターもある。こちらは本エレベーターの点検時や緊急用で使用される。

欅平上部駅に掲示されている路線図と時刻表。黒部峡谷鉄道と違い、こちらは地底内の路線につき、通年で運転されているという。
移動の前に、一旦外へ出て展望台へ。

あいかわらずの空模様。奥鐘山遠望。欅平竪坑展望台にて。通常は登山道からだが、この見学会では竪坑エレベーターからのアプローチとなる。この日はあいにくの雨模様でご覧の通り。前回、これとは別で有料ながらVISIT富山で実施されているツアーでも訪れているが、秋の紅葉時期と相まって素晴らしい景色だっただけに、今回はちょっと残念。
上の写真の右手に見える石垣の中には、こうした案内板が設置されている。
ここまでの行程を地図で振り返る。

青色の太線が竪坑エレベーター。等高線を見ても200mの標高差があることが見て取れる。国土地理院:電子地図より次回は、いよいよ見学前半の見どころである、高熱隧道へ。

黒部ルート見学会(2017年欅平出発コース)本編3(上部軌道~高熱隧道~仙人谷)

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